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sailor 貴帆 北田浩  Never Stop The Challenge

2016-06-17

東奥日報 2016年6月17日

東奥日報2016.6.17

(本文)

若者よ 世界の海に挑め

大西洋を単独横断(1人乗り)する国際ヨットレース「The Transat(トランザット)」に日本人として初めて出場し完走を果たした東通村の会社役員北田浩さん(51)が、6月17日までに同村で本誌の取材に応じ、過酷なレースを振り返り「日本ヨット界へ、記録と道しるべを残すことができたのではないか」と心境を述べた。7月には次の国際レースに出場する予定。「こんなおやじの姿を見て、世界の海へ挑戦する日本の若者たちが増えてほしい。そうなれば最高」と北田さんは笑顔を見せた。

ヨット大西洋横断 日本人初完走 北田さん(東通)

同レースは英国南西部のプリマスを出港し、米国ニューヨークを目指す。コースには1912年に豪華客船タイタニック号が沈没した海域もある。出場者が少なかったり、気象条件が悪すぎたりして、近年は行われなかったという。今回、8年ぶりに開かれることを知った北田さんは「自分の年齢を考えると、今やらなければもう挑戦はできないだろう」と出場を決意。本来なら2年ほどの準備が必要とされるが、2か月でレースに挑んだ。

「クラス40」という部門(10艇)に出場し、5月2日にスタート。「なぜこのレースが世界最高峰の難しさと言われるのか、スタートして間もなく理由が分かった」と北田さん。氷山や鯨などへの衝突の危険に加え、スーパーコンピューターで解析する天気予報が追いつかないほど気象が目まぐるしく変わり、台風並みの低気圧にも3度突入した。

船内で体を飛ばされ、脇腹を強く打つなど「命の危険を感じた時も何度かあった」。船もあちらこちらが損傷した。

心身ともに疲れが蓄積する中、「自分の目標達成のため、日本のヨット界のために完走し、記録を残さなければ」と自らを奮い起こしたという。

22日18時間3分の記録でゴール。順位は7位。完走者の中で最年長だった。

レース後、50~60代の人たちから「自分の夢を一緒に乗せてもらったようだ」とお祝いの言葉が寄せられた。

40歳の時、知人の勧めでちょっとヨットに乗ってみたら「すっかりはまってしまった」という北田さん。
以来、国内外のレースに挑戦し続けてきた。7月10日には、カナダからフランスを目指す大西洋横断レース(ケベックーサンマロ)へ4人のチームで出場する予定。「自分の経験を若い人たちに伝えていきたい」と北田さんは語った。

 

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